室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

(72回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)頭痛では脳波を測定しない 米国神経学会

絶対に受けたくない無駄な医療

絶対に受けたくない無駄な医療

【第72回】

受けたくない医療69【脳神経】
頭痛では脳波を測定しない
米国神経学会

 「頭痛で脳波を測るなんて大げさでは……」と思われる方も多いかもしれない。ただ、実施しているケースはあるようで、米国神経学会が「頭痛に脳波測定は必要ない」と断じるなど、不要だという見解が出ている。頭痛の診断においては、医師の診察が脳波測定に勝るというのがその理由だ。
 医師が一般的な診療をしていれば、脳波を測ったからといって新しい発見は出てこない。「患者の出費を増やすだけでメリットがない」と学会は言う。日本であれば、脳波の検査をすると1万円ほどの費用がかかる。一般的な検査と比べれば負担感は大きい。
 頭痛は患者の疼痛を引き起こす問題としては最も大きい。一般人のうち15~20%が問題を抱えており、現実的な対応の難しさから言っても脳波を測っている余裕はない。

(第72回おわり、第73回へつづく)