【第73回】
受けたくない医療70【脳神経】
頭痛に市販薬を長々と使わない
米国頭痛学会
ドラッグストアに行くと、多くの頭痛薬が並ぶ。一般薬の中でも目立つ存在で、頭痛があると、つい手を伸ばしてしまう。だが、米国頭痛学会は「頭痛の薬剤療法として、市販薬(OTC薬)を長期間、あるいは頻繁に使うのは推奨できない」と指摘する。
学会は短期間の使用であれば、効果があると見ているようだ。「OTC薬は、頭痛のタイプによっては適切な治療になり得る。大きな副作用がなく、きちんと効果を示すものであればいい」。一方で頻繁な使用、特にカフェインを含んだ薬剤は頭痛がむしろ増す可能性があるので注意を要する。薬剤乱用頭痛(MOH)として知られている症状を起こしかねない。
避けるための対策として、学会は「OTC薬の使用は1週間当たり2回にとどめるのが重要」と勧める。さらに、薬剤乱用頭痛に関係して、アセトアミノフェン(※33)の長期にわたる乱用が肝臓の損傷につながる可能性があると指摘。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は消化器出血の原因になり得ると注意を促す。
※33 風邪薬に一般的に含まれている成分の一つで、発熱を抑えたり痛みを抑えたりする。痛みを抑える効果から様々な病気で使われている。
(第73回おわり、第74回へつづく)