室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

(57回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)バレット食道に検診を繰り返さない 米国消化器病学会

絶対に受けたくない無駄な医療

絶対に受けたくない無駄な医療

【第57回】

受けたくない医療54【消化器科】
バレット食道に検診を繰り返さない
米国消化器病学会

 「バレット食道」は耳慣れない言葉かもしれない。食道の内側の膜は通常、平べったい細胞に覆われているのだが、胃酸の逆流があったりして、胃と同じ円柱形の厚めの細胞で覆われるように変化する場合がある。これをバレット食道という。場合によってはガンになる可能性も指摘される。
 米国消化器病学会は、「バレット食道と診断された患者は、2回目の内視鏡検査で異形成がないと判断できたら、ガイドラインに従って最低3年間は次の検診が必要ないと考えてよい」と判断している。異形成とは、ガン化する可能性のある細胞の形の変化をいう。
 細胞の異形成がないと判断されれば、バレット食道がガン化するリスクは低い。この場合には、最低3年間は再び食道を検査して異形成を再確認する必要はない。仮に細胞の変化が生じたとしても、その進行は遅いからである。患者にとっては負担が軽くなって好ましい。逆に言えば、バレット食道が見つかった場合、検査を繰り返すケースが多いということだろう。

(第57回おわり、第58回へつづく)

 

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