室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

コロナ感染者に人種、民族差があるとする研究報告、ラテン系の死亡者がほぼ2人に1人に、米国カリフォルニア州の情報分析から

コロナ感染者に人種、民族差があるとする研究報告がありました。

米国カリフォルニア州の1540万件に上る検査データや感染が判明した症例などの情報を分析したところ、70.0%がラテン系となっており、白人は19.1%にとどまったと言います。人口比は白人が37.5%と多いですので、感染者に偏りがある可能性があるとしています。

さらに、死者のほぼ2人に1人がラテン系。ラテン系と黒人の死亡率は白人の1.5倍になっていたとも報告しています。

なぜこうなったかについては、ウイルス感染を受けてからの隔離がしづらい労働条件に置かれている可能性を指摘しているほか、ワクチンの配分や検査や治療へのアクセスもしづらいといった問題が存在している可能性があるともしています。

日本でも、地域格差をはじめ、環境による格差はあって不思議はないと見られますが、単一民族国家でもありなかなか語られないところかもしれません。だからこそ、問題が潜在化している可能性もあるとも考えられますから、個人の置かれた状況により対処が見過ごせないほどに遅れている状況がないのか、チェックしていく必要もあるかもしれないと考えます。

2021年5月、米国研究。

Reitsma MB, Claypool AL, Vargo J, Shete PB, McCorvie R, Wheeler WH, Rocha DA, Myers JF, Murray EL, Bregman B, Dominguez DM, Nguyen AD, Porse C, Fritz CL, Jain S, Watt JP, Salomon JA, Goldhaber-Fiebert JD. Racial/Ethnic Disparities In COVID-19 Exposure Risk, Testing, And Cases At The Subcounty Level In California. Health Aff (Millwood). 2021 May 12:101377hlthaff202100098. doi: 10.1377/hlthaff.2021.00098. Epub ahead of print. PMID: 33979192.

室井一辰ニュース

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