室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

進行期乳がん患者の死亡率を低下させる標的治療薬の支出は、死亡率の低下につながる

進行期乳がん患者の死亡率を低下させる標的治療薬の支出についての研究が報告されています。

がんの治療薬は高額であることが問題になっていますが、この研究によると、診断された年の標的療法への支出は、進行期がん患者では2000年の患者あたり1024ドルから2015年の患者あたり1万8809ドルへと増えていると報告されています。それに対して、早期がん患者では82ドルから3289ドルへと増えたということ。

進行期がんの患者では、診断年度の標的治療薬への支出が1000ドル増えるのに対して、調整後の3年がん死亡率が0.55%ポイント減るという結果に。早期がんでの関連はないという結果。

非標的治療薬とその他のがん治療は、進行がん患者や早期がん患者において、出費を増やしたから、死亡率が変化することはないと言います。

要は、進行性がんの患者では、標的治療薬の支出を増やすことに意味があるという分析結果になるわけで、がん治療の中での標的治療の価値が認められたことになります。

一方で、他の選択肢についてはむやみな出費をしたから利益につながるかは判然としないという面もあるようです。

2021年5月、米国研究。

Li M, Goldman DP, Chen AJ. Spending On Targeted Therapies Reduced Mortality In Patients With Advanced-Stage Breast Cancer. Health Aff (Millwood). 2021 May;40(5):763-771. doi: 10.1377/hlthaff.2020.01714. PMID: 33939503.

室井一辰ニュース

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