BRCA1またはBRCA2変異乳がん患者に対して、手術補助療法(アジュバント療法)としてオラパリブを用いた研究が報告されています。
結論は、プラセボを上回るというもの。3年無浸潤生存率がオラパリブ群85.9%で、プラセボ群77.1%ということで、有意差が付いています。3年無病生存率でも有意差ありという結果。
オラパリブはプラセボよりも死亡数が少なかったものの(それぞれ59人と86人)。有意差はぎりぎり付かないというもの。P値0.01未満ではないので。高リスクでHER2陰性の早期乳癌では有望な治療とは言えそうです。
がんは遺伝子検査を行って、それによって治療方針を決めるという形が定着しており、その研究もそうですが、実用化を進めること。費用対効果を他薬剤と含めて検証して適正化していくことが求められることになりそうです。
2021年6月、欧米研究。
Tutt ANJ, Garber JE, Kaufman B, Viale G, Fumagalli D, Rastogi P, Gelber RD, de Azambuja E, Fielding A, Balmaña J, Domchek SM, Gelmon KA, Hollingsworth SJ, Korde LA, Linderholm B, Bandos H, Senkus E, Suga JM, Shao Z, Pippas AW, Nowecki Z, Huzarski T, Ganz PA, Lucas PC, Baker N, Loibl S, McConnell R, Piccart M, Schmutzler R, Steger GG, Costantino JP, Arahmani A, Wolmark N, McFadden E, Karantza V, Lakhani SR, Yothers G, Campbell C, Geyer CE Jr; OlympiA Clinical Trial Steering Committee and Investigators. Adjuvant Olaparib for Patients with BRCA1- or BRCA2-Mutated Breast Cancer. N Engl J Med. 2021 Jun 3. doi: 10.1056/NEJMoa2105215. Epub ahead of print. PMID: 34081848.