【第91回】
受けたくない医療88【耳鼻咽喉科】
急性副鼻腔炎ではむやみに抗菌薬を使わない
米国家庭医学会
急性副鼻腔炎は治療でも注意点がある。米国家庭医学会は、「軽度から中等度の急性副鼻腔炎は、7日以上続いたり、初期の改善後に悪化が見られたりしない限りは、抗菌薬を処方してはならない」と言う。異質な色の鼻汁があったり、顔や歯の圧痛があったりするが、ほとんどの場合、副鼻腔炎はウイルス感染によるもので自然に治る。
一方で学会によれば、抗菌薬を使うべきではないと勧めていても、医療現場では抗菌薬が処方されているという。米国では急性副鼻腔炎の患者の80%が抗菌薬を使用、毎年1600万人の外来受診の原因になり、58億ドル(約5800億円)の出費につながってしまっている。無用な抗菌薬が日々使われているというのが学会の見方だ。日本も他山の石としたいところだ。
(第91回おわり、第92回へつづく)