室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

(88回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)硝子体内の注射前に抗菌薬は無用 米国眼科学会

絶対に受けたくない無駄な医療

絶対に受けたくない無駄な医療

【第88回】

受けたくない医療85【眼科】
硝子体内の注射前に抗菌薬は無用
米国眼科学会

 眼科の疾患では、目の中央部を満たしているゼリー状の物質、硝子体の中に注射をする場合がある。この時に感染を防ぐために抗菌薬を投与することもあるが、無用なようだ。米国眼科学会は、「硝子体内への注射の前に安易に抗菌薬を投与してはならない」と言う。
 局所に抗菌薬を使ったからといって、目の感染症を防ぐことはできないと臨床研究で明らかになっている。逆に、抗菌薬を含んだ点眼薬のリスクとして、むしろアレルギーを引き起こす可能性もある。繰り返し過剰に抗菌薬にさらされると、抗菌薬への耐性を持った細菌の出現を招く可能性もある。適切な消毒は意味があるものの、戦略なき抗菌薬の利用は控えるべきだ。

(第88回おわり、第89回へつづく)

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