室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

(81回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)爪水虫と思っても飲み薬はほとんど不要 米国皮膚科学会

絶対に受けたくない無駄な医療

絶対に受けたくない無駄な医療

【第81回】

受けたくない医療78【皮膚科】
爪水虫と思っても飲み薬はほとんど不要
米国皮膚科学会

 爪白癬、一般的に爪水虫と呼ばれる疾患は、飲み薬で治すのが一般的だ。しかし、飲み薬はほとんど無用である可能性があるようだ。
 米国皮膚科学会は、「爪水虫では、真菌感染が確認されない限り、飲み薬を処方してはならない」と指摘している。爪に白癬菌が感染していると見られる場合のおよそ半分は、実際は白癬菌による感染ではないとの意外な事実を提示。単なる爪の損傷が爪白癬のように見えるだけで、治療を始める前に白癬菌の真菌を確認するのは欠かせないという。
 真菌を確認してから薬を使うようにすれば、無用な飲み薬の副作用の可能性を避けられる。「正しく治療することが重要」と学会は説明する。
 爪水虫だと3~6カ月といった長期にわたって薬を服用している人もいるだろう。その場合、薬剤費用は5万円ほどになる。3割負担で薬剤費が安価に抑えられるとはいえ、そもそも真菌がいないとなればむなしいものだ。

(第81回おわり、第82回へつづく)

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