【第80回】
受けたくない医療77【皮膚科】
じんましんの診断で安易な検査はダメ
米国アレルギー喘息免疫学会
米国アレルギー喘息免疫学会は、「じんましんでは、患者の症状を診断するために安易な検査をしてはならない」と意外な方針を示す。じんましんと見たら、わざわざ検査をするなというわけだ。悩まされている人にとっては、どうしてかと不思議に思われるだろう。
学会によれば、慢性じんましんの患者の圧倒的多数において、明確な原因を特定できないからだ。限られた検査によって他疾患を除外することはできても、じんましんそのものの原因は分からない。
診察に基づいてピンポイントで検査することには意味はある。漫然と広く検査するのは費用対効果が悪く、症状の改善にもつながらない。皮膚や血液の検査で免疫物質のIgEを測定する技術はあるが、適用すべきではない。特定の物質に対するアレルギーの病歴があるなどしない限りは無用である。
(第80回おわり、第81回へつづく)