ご自身のがんとの闘病を通じて、日米のがん医療の違いについて、書かれている書籍。3度ほど、お会いしています、アキよしかわさんの書籍です。実際に会われた方は分かると思いますが、なかなかほかでは見たことがないほどにパワフルな方ですが、がんとの闘病は大変だったと、うかがわれます。
アメリカでずっと過ごされてきたので、日本では全額自費で、がん手術を受けると決断されて、その後は、ハワイで抗がん剤の投与を受けられたとのこと。
興味深いのは、自身のがんの治療を受けつつ、さまざまなデータ上の実態を念頭に、どのような治療が必要とされているのか、考察しているところ。
心に残るのは、看護体制の違いです。日本で治療を受けたときに、看護師との会話からの癒しが、大きかったという点。データ上に見えない価値として、強く認識されたようです。
そういう数字に見えないところは、どんな分野でも見逃されがちで、切り捨てられがちではありますが、逆に言えば、そういう目に見えないところを、重要視できて、運営にうまく取り込めているところはより良くなるということなのでしょう。
チュージング・ワイズリーという考え方は、無駄な医療をなくしていく取り組みではありますが、ディスカッションを通じて、必要なところがあるならば、訴えて、通していく努力も必要なのだろうと想像します。日本でも活動は始まっており、必要なのは日本で価値があると見られることを、無駄な医療をなくしていく活動の中でも、必要ならば訴えていき、世界にインパクトを与えていくということなのでしょう。