室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

医療機関は固定費が重い

ポストの記事ですが、売上が減るインパクトは、一般的なイメージよりも大きいと考えています。医療機関の場合には、半分が人件費で、残りを各種の経費が占めている。売上が減少することで、その他の経費が重くのしかかってくる。 コロナで受け入れ施設の売上…

新型コロナウイルス感染拡大により入院患者の減少が続く

新型コロナウイルス感染拡大により入院患者の減少が続く。医療機関関連の協会による調査によって示されています。調査を実施したのは、一般社団法人日本病院会、公益社団法人全日本病院協会、一般社団法人日本医療法人協会です。 回答はおよそ1200病院で、コ…

急性呼吸器疾患のDTC(消費者に対して直接提供可能な)遠隔医療は、フォローアップケアを増やすという分析結果

急性呼吸器疾患のDTC(消費者に対して直接提供可能な)遠隔医療は、フォローアップケアを増やすという分析結果が報告されています。 遠隔医療が身近になっていますが、これは医療のコスト削減につながると言われます。一方で、医療にかかりやすいために、継…

パンデミックによる非自発的な医療の中断につながりやすい属性を明らかにした研究

パンデミックによる非自発的な医療の中断につながりやすい属性を明らかにした研究が報告されています。 年齢や性別、人種および民族、教育、健康状態、労働制限のある障害、健康保険の加入、雇用などの条件と医療の中断との間に関係があるのかを検証したもの…

パンデミックにおいて、心停止の転機が悪かった理由は、患者が治療を控えたためであるとする研究

パンデミックにおいて、心停止の転機が悪かった理由は、患者が治療を控えたためであるとする研究が報告されています。 心臓関連の救急要請が3割近く減少して、院外心停止の発生率が35.5%増加という結果です。 この影響が、感染が減少してからも続いたといい…

新型コロナウイルス感染症の影響により、救急部への非COVID-19の受診率が大きく減少

新型コロナウイルス感染症の影響により、救急部への非COVID-19の受診率が大きく減少したとする研究が報告されています。減少率は3~4割近くとのことで、高齢者層の利用する公的保険制度メディケアの患者よりも、民間保険や低所得者のメディケイドの利用者の…

コロナ禍もあり処方薬のインターネット通販が拡大する中で求められる国際的な連携

コロナ禍もあり処方薬のインターネット通販が拡大する中で、国際的な協力で偽造品や規格外を防ぐための国際的な連携体制を作り上げていくべきだという寄稿が紹介されています。 日本でもネットでの医薬品販売は広がっていますが、確かに、それが正規品なのか…

医師会よりも病院会の時代になるか?

米国のメディケアの組合であるACO(説明責任ケア組織、accountable care organizations)が作られることで、医療機関がまとまり、保険会社との交渉力が付くという話。それで医療費の上昇につながる可能性を指摘しています。 医療機関の合併や買収をしなくて…

米国でのナースプラクティショナーの診療報酬を医師並みに引き上げよとする研究

米国でのナースプラクティショナーの診療報酬を医師並みに引き上げよとする研究が報告されています。 ペンシルバニア大学の看護学部の研究者が、医師と同様のケアができるところから、従来85%程度にとどまる報酬を100%に引き上げるように主張したものです…

前立腺がんの抗がん剤は、「アダプティブな治療」の時代へ

PSA値に従って調整する抗がん剤治療により、治療費を大幅削減できるとする研究が報告されています。 PSA値が、治療前の半減を境に、それを下回るまで、アビラテロンとステロイドによる治療を実施して、逆に、上回ると中断するという治療です。アダプティブな…

コロナ禍の影響から処方薬のインターネット通販が拡大する中で求められる国際的な連携

コロナ禍の影響から処方薬のインターネット通販が拡大する中で、国際的な協力で偽造品や規格外を防ぐための国際的な連携体制を作り上げていくべきだという寄稿が紹介されています。 日本でもネットでの医薬品販売は広がりを見せつつありますが、確かに、それ…

コロナ禍で精神疾患の薬剤、新規処方が減っている

米国から、コロナのパンデミックに伴って、精神疾患の薬剤の新規処方が減少していると報告されました。 抗うつ薬の新規処方は予想されていたレベルよりも7.5%、抗不安薬は5.6%、抗精神病薬は2.6%減少したとのこと。 研究グループは、精神疾患治療のアンメ…

プライマリケアは患者に選ばせるのを待つのではなく、積極的に改善せよと促す研究

プライマリケアは患者に選ばせるのを待つのではなく、積極的に改善せよと促す研究が報告されています。 患者がどのような情報を、どこから得ているのかを分析したもの。質のより高い医療を受けられるようにするためには、患者自身が医療提供者の情報を求めて…

病院選択に機械学習アルゴリズムを生かすという研究、優れた結果を示す

病院選択に機械学習アルゴリズムを生かすという研究が報告されています。 自然災害によって病院閉鎖され、その後の病院選択に機械学習アルゴリズムを使うことで、計量経済学的モデルよりも優れた結果になったということ。 医療提供体制の方針を決めるなど、…

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックに伴う失業補償制度の終了後、抑うつや不安のリスクが高まる

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックに伴う失業補償制度の終了後にどのような影響があるのか、その課題についての研究が報告されています。特に精神的な健康への悪影響に焦点が当てられています。 失業保険の給付者に対して追加で600ドルを給付した…

ワクチンの有害事象が神経に及ぶことも

週刊ポストさんの取材を受けました。コロナと神経症状との関係についてはかねて指摘されていましたが、ワクチンも有害事象が神経に及ぶことはあるようです。 メキシコの研究グループが、高齢男性で神経症状の一つ、せん妄が現れると報告しています。もともと…

BRCA1またはBRCA2変異乳がん患者に対して、手術補助療法(アジュバント療法)としてオラパリブを用いた研究、オラパリブが生存率で有利な結果に

BRCA1またはBRCA2変異乳がん患者に対して、手術補助療法(アジュバント療法)としてオラパリブを用いた研究が報告されています。 結論は、プラセボを上回るというもの。3年無浸潤生存率がオラパリブ群85.9%で、プラセボ群77.1%ということで、有意差が付い…

コロナ感染者に人種、民族差があるとする研究報告、ラテン系の死亡者がほぼ2人に1人に、米国カリフォルニア州の情報分析から

コロナ感染者に人種、民族差があるとする研究報告がありました。 米国カリフォルニア州の1540万件に上る検査データや感染が判明した症例などの情報を分析したところ、70.0%がラテン系となっており、白人は19.1%にとどまったと言います。人口比は白人が37.5…

進行期乳がん患者の死亡率を低下させる標的治療薬の支出は、死亡率の低下につながる

進行期乳がん患者の死亡率を低下させる標的治療薬の支出についての研究が報告されています。 がんの治療薬は高額であることが問題になっていますが、この研究によると、診断された年の標的療法への支出は、進行期がん患者では2000年の患者あたり1024ドルから…

チュージング・ワイズリーとバリューベースドヘルスケア

以前に取材していただいたチュージング・ワイズリーについての記事をこちらにも貼っておきます。 バリューベースドヘルスケアという考え方は、医療で得られる価値に見合った、費用負担にしていこうというもので、チュージング・ワイズリーもそうした考えに沿…

ストレスと心臓疾患

ストレスと心臓疾患との関係についてのコメントを求められました。 たこつぼ心筋症はなかなか聞かないのと、名称が独特なので、とくに記事で注目されました。 これは日本で報告された病気なんですよね。意外と知られていません。 本当にストレスが原因になっ…

ワクチンの構造

週刊ポストさんの取材を受けています。 ワクチンの構造について、多くの人が気にしなければならないという状況はなかなか異常だとは思いました。 エピトープという、ウイルスの持っている突起部分のアミノ酸の配列情報から、エピトープという、抗原反応を呼…

前立腺がんは難しい疾患

取材のコメントお出ししました。 実際に前立腺がんは難しい疾患だと思っています。チュージング・ワイズリーでも、継続的に、その治療の意義が問われてきました。 米国予防医学専門委員会(USPSTF)では、前立腺がんの検診項目として普及しているPSA検査につ…

あとがき(60回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査してはいけない手術 あとがき チュージング・ワイズリーを調べるようになって5年ほどになりました。はじめは私が偶然に目にした米国の変わった運動というくらいの印象だったのですが、そこで問題提起されている項目…

第6章 医療を疑うことの意義(59回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査してはいけない手術 第6章 医療を疑うことの意義 医療を疑ってもいい ここまで、チュージング・ワイズリーの具体的な項目を見てきました。検査、薬、手術という医療行為の中に、専門的な医学会も必要性を疑問視し…

心房細動の手術──意義が問われるアブレーション手術(58回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査してはいけない手術 心房細動の手術──意義が問われるアブレーション手術不整脈治療の現 心臓の鼓動はなぜ一定なのでしょうか。その秘密は、心臓の内部で絶え間なく発生している電気信号にあります。リズミカルに発…

胃ろうの手術──認知症では意味なし(57回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査してはいけない手術 胃ろうの手術──認知症では意味なし病棟の4割が経管栄養 高齢になり、食事を自分で食べられなくなったときの選択肢としては、中心静脈栄養のほかにも、経管栄養と呼ばれる方法があります。大まか…

中心静脈栄養──中止のタイミングとは(56回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査してはいけない手術 中心静脈栄養──中止のタイミングとは食べることが困難になったら 自分の力で食べること、排泄することは、人間の尊厳を保つうえで大切なことだとされています。逆に言えば、それらを他人に頼ら…

乳がんの手術──手術の前に知っておきたいポイント(55回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査してはいけない手術 乳がんの手術──手術の前に知っておきたいポイント乳がんをいかに治すか 乳がんは多くあるがんの中でも最近、日本で特に注目されることの多いがんになっているかもしれません。 乳がんの治療を受…

前立腺がんの手術──治療に進まない、という選択(54回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査してはいけない手術 前立腺がんの手術──治療に進まない、という選択日本だけで20万人が医療機関にかかっている 前立腺がんの検査のところでも大きく取り上げましたが、前立腺がんをめぐる医療行為には、その意義が…

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