プライマリケアは患者に選ばせるのを待つのではなく、積極的に改善せよと促す研究が報告されています。
患者がどのような情報を、どこから得ているのかを分析したもの。質のより高い医療を受けられるようにするためには、患者自身が医療提供者の情報を求めて、その情報に基づいてよりよい医療提供者を選択することが重要だと、研究グループは見ています。
シェアード・デシジョン・メーキング(Shared Decision Making、SDM)は、受ける医療について医療提供者と情報を共有して、共に選択するというものですが、今回の研究はその前段階と言ってもよさそうです。
スウェーデンで3150人を対象として、ウェブ調査をしていますが、結果としては、意外と一般の人は、大して情報を求めておらず、積極的に選択に動いていないと分かりました。情報を探す傾向の強い人でさえ同じような結果。
調べた情報は、医療機関を変更する方法とその施設の場所で、身近な提供者や家族に聞く程度だったと言います。
結局、この研究では、患者の選択を待つのではなく、政府や行政当局が医療機関の提供する医療の質向上に積極的に関与していくべきだと指摘しています。
患者中心の医療とは言いますが、海外でさえ、患者が医療を選択していくという文化が根付くのは容易ではないようです。日本ではどうでしょうか。
2021年6月、スウェーデン研究。
Hoffstedt C, Fredriksson M, Winblad U. How do people choose to be informed? A survey of the information searched for in the choice of primary care provider in Sweden. BMC Health Serv Res. 2021 Jun 7;21(1):559. doi: 10.1186/s12913-021-06380-w. PMID: 34098939.