室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

チュージング・ワイズリーとバリューベースドヘルスケア

 以前に取材していただいたチュージング・ワイズリーについての記事をこちらにも貼っておきます。

バリューベースドヘルスケアという考え方は、医療で得られる価値に見合った、費用負担にしていこうというもので、チュージング・ワイズリーもそうした考えに沿ったものだと考えています。

日本でも少しずつ議論の俎上に上がっていますが、コロナ禍で日本の医療への投資を積極化しようという機運も出ており、医療のコスト削減につながる議論は進みづらくなるのかもしれません。

もっとも日本の医療構造は、療養病床の過多がもたらす、バランスの悪い医療体制が問題だと考えています。従来から、療養病床を廃止して、急性期医療へとバランスを変えて、療養病床の部分は介護に移していこうと動いていました。

その動きは正しいと思い、簡単には止まらないと思いますのと、医療の電子化が少しずつ進んで、例えば、保険証の電子化などがマイナンバーカードを用いて進み、さらに、医療情報の連携が進めば、医療行為の価値も可視化される可能性もあります。そうした先には、日本でもバリューベースドヘルスケアのような考え方が出てくるのかとは思います。

あと、そもそも受ける医療を受ける本人が積極的に関わって、どのような医療がよいのか考えられるようなプラットフォームを固めていくような動きも一方で必要だろうと考えます。

単に、有効な医療に必要な財源が振り向けられて、それを必要とする人が障害なく受けられるようにしていくのは重要と考えます。

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