室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

正しい医療を受けるために(13回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術
正しい医療を受けるために

 前述のとおり、チュージング・ワイズリーの目的は、医療従事者と患者との対話を促すことです。
 日本では、患者が医師に診断や治療の意味を問うと医師から文句を言われるということも耳にします。専門家と非専門家の間の壁を壊すのは簡単ではありません。ですが、米国が目指そうとしているチュージング・ワイズリーの思想は、医師たちのほうからこの壁をのりこえよう、という試みなのです。
 チュージング・ワイズリーでは、医療従事者向けのリストと、患者向けのリストを分けてウェブ上で発表しており、医療従事者だけではなく、患者側もこうした問題に関心を持つようにしやすくしています。
 米国でもいろいろ聞いていますと、一般の人にとってチュージング・ワイズリーを含めた専門分野の知識へのハードルはまだまだ高いようですが、医療に向けられる一般の目線が厳しくなっているのは確かです。そして医療界が自分たちの利益のために医療を行ってしまう「誘発需要」のような動きに対する批判など大きなうねりも起き始めています。
 チュージング・ワイズリーは、日に日にその項目数を増やしており、その内容は細部に至っています。では、いよいよ次章から「ムダな医療」の中身を一つ一つ見ていくことにしましょう。

(第13回終わり。第14回に続く)

広告 クリックすると商品やサービスのページに移ります

広告 クリックすると商品やサービスのページに移ります

広告 クリックすると商品やサービスのページに移ります

広告 クリックすると商品やサービスのページに移ります

広告 クリックすると商品やサービスのページに移ります

広告 クリックすると商品やサービスのページに移ります