【第84回】
受けたくない医療81【眼科】
眼科疾患の症状がないのに安易に画像検査をしない
米国眼科学会、米国小児眼科斜視学会
米国眼科学会は、「特別に眼科疾患の症状や兆候が見られないならば、安易に画像検査を実施する必要はない」と述べる。病歴と身体検査で十分に眼科疾患の存在や悪化の有無を判断できるということだ。
ここで言う安易な画像検査とは、視野検査、光干渉断層計(OCT)、糖尿病患者に対する網膜画像検査、神経画像検査、眼底検査などを指す。米国小児眼科斜視学会も、「子供の眼科検査では、眼科疾患の徴候がないのに、網膜の画像検査を行う必要はない」と指摘する。
もちろん、症状や兆候があるのであれば話は別だ。画像検査はさらなる評価のために必要とされる可能性があり、治療計画の作成のために意味はある。
日本であれば、眼科の検査は5000円程度の費用がかかる。画像検査全般に言えることだが、本当に意味があるのかあらためて考えてみたい。
(第84回おわり、第85回へつづく)