【第65回】
受けたくない医療62【アレルギー】
アレルギー検査の際に
非特異的IgEやIgG検査は避ける
米国アレルギー喘息免疫学会
根拠のある検査を進めた方がいいのはアレルギーでも変わらない。
米国アレルギー喘息免疫学会は、「アレルギーの診断と治療には、イムノグロブリンG(IgG)検査や非特異的イムノグロブリンE(IgE)検査を避けるべきだ」と指摘する。IgGは感染症やガンに対する抗体医薬としても使われる免疫物質、IgEの方は花粉やダニといった外来物質の侵入に反応して増える免疫物質である。
アレルギー検査では、IgE検査が一般的に行われる。牛乳、大豆、卵などのアレルギー原因物質を特定するために血液検査で調べるのが特異的IgE検査で、アレルギーを診断し治療するには、病歴に基づいて皮膚または血液を使った特異的IgE検査を実施する必要がある。特異的IgEは、牛乳や大豆など個別に反応するので診断につながる。
一方で、IgG検査や特定のアレルギーに関係なく無差別に反応する非特異的IgE検査は有効性が証明されていない。非特異的IgEはアレルギーの目安として日本でもなじみがあるが、あくまでも目安と考えた方がいい。適切な診断および治療こそ費用対効果が高く、患者の快適さにつながるものだ。
日本では、特異的IgEを使った検査コストは1万5000円ほど。これは保険が適用されるので、3割負担で5000円ほどになる。一方で、IgGによる検査を実施している医療機関もあって、こちらは5万円前後で受けつけている。これは保険が効かない。受ける時には、根拠が不明確であると知ったうえで受ける必要がある。
(第65回おわり、第66回へつづく)