【第52回】
受けたくない医療49【産科婦人科】
双子を妊娠しても子宮頸管を縫合しない
米国母子学会
双子を妊娠すると、子宮が耐え切れなくなり早産の可能性が高まる。子宮頸部が短いとなおさらその懸念は強まる。そこで子宮の出口である子宮頸管を縫合するのが頸管縫合手術だ。だが米国母子学会は、「双子を妊娠し、子宮頸管が短い女性に対して、頸管縫合術を施してはならない」と頸管縫合手術を否定する。
子宮頸部が短い女性で、双子を妊娠している場合は早産のリスクが高いと分かっている。しかし、臨床研究によると、多数の報告を分析した結果を含めて、頸管縫合手術にメリットがあるとは示されていない。むしろ有害性があるというのが実情だ。早産が逆に増えるのだ。よかれと思ってやる治療がむしろ悪い結果をもたらすケースは珍しくはない。
(第52回おわり、第53回へつづく)