室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

(52回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)双子を妊娠しても子宮頸管を縫合しない 米国母子学会

絶対に受けたくない無駄な医療

絶対に受けたくない無駄な医療

【第52回】

受けたくない医療49【産科婦人科】
双子を妊娠しても子宮頸管を縫合しない
米国母子学会

 双子を妊娠すると、子宮が耐え切れなくなり早産の可能性が高まる。子宮頸部が短いとなおさらその懸念は強まる。そこで子宮の出口である子宮頸管を縫合するのが頸管縫合手術だ。だが米国母子学会は、「双子を妊娠し、子宮頸管が短い女性に対して、頸管縫合術を施してはならない」と頸管縫合手術を否定する。
 子宮頸部が短い女性で、双子を妊娠している場合は早産のリスクが高いと分かっている。しかし、臨床研究によると、多数の報告を分析した結果を含めて、頸管縫合手術にメリットがあるとは示されていない。むしろ有害性があるというのが実情だ。早産が逆に増えるのだ。よかれと思ってやる治療がむしろ悪い結果をもたらすケースは珍しくはない。 

(第52回おわり、第53回へつづく)

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