【第47回】
受けたくない医療44【整形外科】
変形性膝関節症で「靴にインソール」は気休め
米国整形外科学会
変形性膝関節症は膝の炎症が発端となり、膝がX脚あるいはO脚に変形する疾患だ。膝の負担軽減のため、靴にインソールを入れる対応が考えられるが、疼痛の軽減や膝の機能改善に効果はない見解が出ている。
米国整形外科学会は、「変形性膝関節症で、骨や軟骨に異常があって症状がある時に、靴底に角度をつけたインソールを使ってはならない」と積極的ではない。
角度のあるインソールと平らなインソールとの間で比較した臨床研究で、角度のあるインソールに、さらに足首のテーピングを使った場合と使わない場合とに分けて比較した臨床研究がある。こうした臨床研究のほか、複数の臨床研究を総合的に検証した結果、角度のあるインソールや関連した装具には効果があると示されなかった。利用者が変形性膝関節症の症状がやや軽くなる可能性はあるが、意義は少ない。
これも「気休め」だ。
(第46回おわり、第47回へつづく)