室井一辰 医療経済ジャーナリスト

医療経済ジャーナリスト、室井一辰。『絶対に受けたくない無駄な医療』の連載をはじめ、医療経済にまつわる話題をご提供いたします。

(6回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)ムダな医療と情報の渦

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術 ムダな医療と情報の渦 日本では、高齢化にともない医療を受ける当事者の数が増えています。後ほどご紹介していきますが、入院や外来で医療にかかる人は年々増えており、自分の問題となることで…

(5回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019) 医師も気づいていないムダがある?

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術 医師も気づいていないムダがある? 一方で、医師が知らずにムダな医療を行っている場合、というのも多々あります。医師が知らず知らずのうちにムダな医療を提供しているというのは信じがたいこ…

(4回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019) 医師はなぜムダな医療を行うのか

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術 医師はなぜムダな医療を行うのか では、なぜこうしたムダな医療ははびこってしまうのでしょうか。 医師がムダな医療を提供している理由は、大きく2通りにわかれており、医師が知っていて行って…

(3回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019) 実質的な効果が何もないケース/やってはいけない医療

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術 実質的な効果が何もないケース 次に、メリットがそもそもほとんどない場合。医療行為として行う意味がそもそもない、というようなケースです。なのにどうして行うの? という奇妙さからあえて…

(2回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)第1章 こうして医療にムダがはびこる ムダな医療には3パターン

世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術 ムダな医療には3パターン まずそもそもムダな医療とは何でしょうか。私は3つのパターンに分かれていると考えています。 1つは「メリットよりもデメリットが大きい場合」。2つ目は、「メリッ…

(1回)『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)はじめに

世界の医療標準からみたムダな検査受けてもムダな手術 はじめに インターネットで「ムダな医療」と検索すると、私の著書が最初のページに出てくるようになってから、もう久しくなりました。2013年に、米国の医学会で広がっているある動きに気がつき、そ…

(111回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014) あとがき

絶対に受けたくない無駄な医療 【第110回】 あとがき 冒頭で獣医学を学んでいたと述べた。誤解を恐れずに言えば、人間の医療は「生の医学」で、獣医学は「死の医学」と考えたことがある。 獣医学を学べば分かるが、獣医学の世界では医療と死が常に隣り合わせ…

(110回・完結)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)医療側による「医療の再設定」が不可欠

絶対に受けたくない無駄な医療 【第110回】 医療側による「医療の再設定」が不可欠 医師ら医療従事者と話していると、患者と同じ目線で検査や治療について話し合うのを「時間の無駄」と考える傾向があると感じることがある。医師らの立場に立てば、「むべな…

(109回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014) 「パック料金」で変わる医療

絶対に受けたくない無駄な医療 【第109回】 「パック料金」で変わる医療 国の動きも無駄な医療をなくすうえで重要だ。その中でも、医療費の「包括化」は大きな可能性を秘めている。 従来の医療は、個別の医療行為に対して報酬が発生する「出来高払い」が一般…

(108回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)第三部   専門学会が設定している 基準値にNO! 医療費の急増を   前に動き出した保険者

絶対に受けたくない無駄な医療 【第108回】 第三部 専門学会が設定している基準値にNO! 医療費の急増を 前に動き出した保険者 2014年4月、医療の常識から見て驚くべき出来事が日本であった。日本人間ドック学会と健康保険組合連合会(健保連)の研究…

(107回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)治療根拠の説明能力が問われる時代に

絶対に受けたくない無駄な医療 【第107回】 治療根拠の説明能力が問われる時代に 大腸ガンの罹患率は一般的に米国よりも日本の方が低い。また、内視鏡メーカーはオリンパス、富士フイルム、ペンタックスなど日本企業が大半で、日本は内視鏡が広く普及しやす…

(106回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)この10年で1日当たりの患者数は70万人の増加!

絶対に受けたくない無駄な医療 【第106回】 この10年で1日当たりの患者数は70万人の増加! まず患者周囲の変化について考えれば、そもそもには患者数の増加があるのだが、同時に患者が無駄に気づく機会も増えている。 その背景にあるのは、インターネット情…

(105回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014) 過剰診断の裏に皆保険制度の存在

絶対に受けたくない無駄な医療 【第105回】 過剰診断の裏に皆保険制度の存在 「Choosing Wiselyはあくまで米国における推奨であり、そのまま日本には当てはまらない」。日本の医療界に身を置く人はこう思うかもしれない。 ただ、その言葉には表と裏の理由が…

(104回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)第三部 〝無駄な医療〟を追放しよう

絶対に受けたくない無駄な医療 【第104回】 第三部 〝無駄な医療〟を追放しよう 米国で始まった無駄な医療撲滅キャンペーン。患者にとっても、医師にとっても、医療費の増大に悩む国にとっても意味のある動きだ。ここでは、「Choosing Wisely」のような取り…

(103回)『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)中心静脈カテーテルは不要になったら即中止 米国老年医学会

絶対に受けたくない無駄な医療 【第103回】 受けたくない医療100【循環器】中心静脈カテーテルは不要になったら即中止米国老年医学会 胃ろうに近い問題として、中心静脈カテーテルという方法で栄養を補給したり、継続的に薬剤投与したりする医療行為がある。…